その瞬間を説明するのはとても難しい。
あえて言葉にするなら、久々の休日に友人と出かけ、充実した一日を過ごした帰り道、ふと一人であることに気付いて涙が止まらなくなるときと似ているかもしれない。
そんな不意打ち的な感じで「あぁ、今なら死ねる」と思った瞬間はやってきた。
……
やってきた、けど。
無数のリストカットの跡が残る醜い左腕は冷蔵庫の扉を開けた。
(いつかこの瞬間を後悔するのかな?)
なんて思いながら、私は冷蔵庫の中からVolvicのペットボトルを取り出し、最後の一口を飲み干した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
参加中です。
[0回]
PR