オリジナル小説をほそぼそと公開中。一部「#創作文芸:*.jp」に寄稿しています。現在休止中&内容改装中。
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昔は良かった。
辛いことがあっても
苦しいことがあっても
悲しいことがあっても
涙を流すことがあっても
食べることができなくても
眠ることができなくても
何処へも行けなくても
何もできなくても
リストカットをしても
血を流すことがあっても
何も感じなくなっても
何も考えることができなくなっても
絶望することがあっても
全部創作に繋がっていたから私は幸せだった
今は何もできなくなった
創作することができなくなった
物語が、作った端からぼろぼろと崩れていく
終わらない物語が「.txt」の拡張子を付けてパソコンのデスクトップを埋め尽くしていく
私の喉は細く細く狭まって呼吸するのを徐々に徐々に辞めていく
私の胃は縮まって飲食を徐々に徐々に放棄していく
私の脳はぼんやりとして思考を放棄、記憶を手放し始めていく
私の手足はだらりと垂れた 何処へも何をも動くことを拒否していく
残っているのは心臓で、どくりどくりと脈打っている
無駄に脈打つ心臓が、生きていることを主張する
生きているだけだと主張する
知っている
創作することなんて、物語を紡ぐことなんて、生きていることと同義なんかじゃない
でも、だけれども、心とか、魂とか、そういう幻みたいなものが人の命に宿っているとするなら、目に見えなくても存在するというのなら、その幻みたいなものが主張する
創作すること、物語を紡ぐこと、それが私の生きていることだと
それがないと生きていることそのものが成立しないと
だから、私は、それだけは、結局、それだけを、どうしても、手放せずに、また、同じことでも、過ちだと言われても、狂っていると言われても、何もかもを否定されても、同じ場所に立ちたいと、
まだ、足掻く
だから結局、私は幸せなのだ。
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参加中です。
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